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著者:キム・テウ
出版:柏書房
発売日:2024年9月
仕様:四六判 272ページ
病院の医師の視線が患者よりモニターに向かう理由とは?韓医学の病名が西洋医学より曖昧になるのはなぜ?同じ「打つ」でも鍼と注射では何が違う?医療が一つでなければ、身体をめぐる真実も一つではない。当たり前だと思っていた景色が一変する学術ノンフィクション!西洋医学と韓医学。二つの医療が併存する韓国というフィールドを、人類学者が読み解く。メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、フィリップ・デスコラ、エドゥアルド・コーンなどの知見も参照しつつ、“病む身体”とそれを取り巻く世界の複数性を臨場感たっぷりに描いた意欲作。
目次
1章 身体に関する真実は一つではない(人類学者、病院と韓医院に行く;東アジアの身体、西洋の身体)
2章 診断、身体を知る(初対面、診療室;対象の固定と、流れを読むこと;再び、診療室にて)
3章 医学用語、身体を述べる(病の名前;幾何学的な想像力と脈象の想像力;医学と美術、表現の問題;先行する枠組みと後行する定規)
4章 鍼、身体の可能性を手伝う(「治療」ではない「治」;自ら運行する身体;濃密なアナロジーのネットワーク;ネットワークを揺らす鍼)
5章 薬、身体の外にある存在と共に治を行う(二人の患者、二つの処方;製薬と処方;成分と薬性;人間的なるものを超えた存在と世界)
付言 用語解説、または用語解明