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著者:岩野卓司
出版:朝日新聞出版
発売日:2026年2月
仕様:四六判 248ページ
「借りたら返す」―それは本当に常識なのか。本書は、モース『贈与論』の精緻な読解を起点に、シェイクスピア『ヴェニスの商人』や宮部みゆき『火車』といった古典・小説、さらに臓器移植のレシピエントや災害時の相互扶助など現代的事例を通して、贈与交換から資本主義に至る「返礼」の構造を根底から問い直す。鍵となるのは、マオリ族の「ハウ」に秘められた謎だ。借りを本人に返さず、別の誰かに贈る―この構造を解き明かし、見返りを求めない贈与が次の贈与を呼ぶ「連鎖」の原理を探る。さらに、レヴィ=ストロース、デヴィッド・グレーバーらの現代思想を参照しながら、借りを「返す」から「つなぐ」へと跳躍させる。経済の新しい地平を切り拓く、著者の新境地。
目次
序論
第一章 はじまりのモース
第二章 『ヴェニスの商人』の贈与論
第三章 『火車』の資本主義
第四章 もうひとつの贈与交換
第五章 返されない贈与
第六章 贈与のユートピア―借りに先立つ贈与―
結論