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著者:原雅明
出版:Pヴァイン
発売日:2025年9月
仕様:四六判 352ページ
アンビエントとジャズはかねてより親密な関係にあった――
マイルス・デイヴィスが求めた静けさとは何だったのか?
アンビエントの発案者ブライアン・イーノはジャズから何を受けとったのか?
マイルスの音楽をアンビエント的観点から聴き返しつつ、イーノの音楽をジャズの角度からとらえ直すことで、今日におけるジャズとアンビエントの交差の源流を訪ねる、かつてない1冊。
『E.S.P.』以降の第2期マイルス・クインテットにみられる空間の拡張や時間の遅延、エレクトリック期に試みられたトーン・ポエム(=音の連なりから風景画のようなサウンドスケープを生み出す手法)は、ある意味でプレ・アンビエントと呼ぶこともできる。ひるがえってイーノの『Music for Airports』にはマイルスのモーダルな響きがこだまし、続くアンビエント・シリーズの諸作やジョン・ハッセルとの共作からはジャズとの接点が浮かび上がってくる。
本書はそうした両者の比較・分析にとどまらず、「静寂の次に最も美しい音」のキャッチフレーズで知られるECMの音作りの真髄や、菊地雅章、高田みどり、芦川聡、吉村弘、尾島由郎、清水靖晃といった日本におけるジャズと環境音楽の文脈も俯瞰することで、ジャズとアンビエントの混交が進む現代にひとつの道筋をつける。著者入魂の、7年ぶりの書き下ろし。
[目次]
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第1章 マイルス・デイヴィスのジャズとアンビエント
1 空間の拡張と時間の遅延──第2期クインテットにおける試行錯誤
2 エレクトリック期に試みられたトーン・ポエム/アンビエント
3 アップデートされる80年代以降のマイルス
第2章 ブライアン・イーノのアンビエントとジャズ
1 オブスキュアとギャヴィン・ブライヤーズ
2 アンビエントの誕生
3 アンビエント・シリーズの発展
4 ダニエル・ラノワの『Belladonna』とその後のイーノ
第3章 ECM もう一つのジャズとアンビエント
1 マンフレート・アイヒャーとジャン=リュック・ゴダール
2 多様なるECMの世界
第4章 日本におけるジャズと環境音楽の往還
1 菊地雅章が残した浮遊するサウンドとハーモニー
2 日本の環境音楽の開拓者たち──芦川聡、吉村弘、尾島由郎
3 清水靖晃の「質感」
4 今日まで続く高田みどりの挑戦
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