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著者:片岡義男
出版:光文社
発売日:2025年9月
仕様:文庫判 296ページ
それまでの日本語文学にはなかった、まったく新しい文体で小説家・片岡義男が誕生したのは一九七四年。だがそれ以前の「フリーランスのライター」時代については綴られていなかった。その「作家以前の自伝」を、当時流れていた音楽と結び付けた異色の私小説集。物語に登場する百二十一枚のレコードジャケット写真に、読みながら曲を聴けるプレイリストの二次元コードを併載。
目次
1960 ディーン・マーティンもリッキー・ネルスンも、いまのうちだから
1961 スミス・コロナのタイプライター。ばったり。うっかり。がっくり。どっかり
1962 一月一日の午後、彼女はヴェランダの洗濯物を取り込んだ
湖のほとりのプールに陽が沈む。そして夏は終わる
1963 あのペンネームはどこから来たのか
大学の四年間は一通の成績証明書となった
真珠の首飾りを彼女がナイト・テーブルに置いた
営業の人になりきったら、それ以外の人にはなれないでしょう?
男の社員ばかりで鬼怒川温泉に行き、それからどうするというのか
あなたは、このコーヒーの苦さを忘れないで
だからそこでは誰もが霧子だった
彼は鎖骨の出来ばえを語る。隣の店ではボブ・ディランが語る
1964 バラッドは彼女の全身に吸い込まれていった
ひょっとして僕は、甘く見られているだろうか
僕はいま拍手をしています。聞こえてますか
みなさんのお店ですから、気をつけてください
今日という日がすべてひっくるめられた一曲とは
クリーム・ソーダは美しい緑色のフィクションだ
女が鳴らす口笛は恋の終わりの東京ブルース
1965 ビリヤードの匂いと江利チエミ、そしてパティ・ペイジ〔ほか〕