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著者:大谷崇
出版:星海社
発売日:2019年12月
仕様:新書判 352ページ
ペシミズムとは「生きる知恵」である。「ペシミストたちの王」シオラン。この陰鬱な思想家の思索と執筆は、つねに厭世的なことがらに捧げられてきた。怠惰、死、自殺、憎悪、衰弱、病気、人生のむなしさ、生まれてきたことの苦悩…。ことほどさように、シオランは「暗い」。しかし、あるいはだからこそ、彼の清々しいほどに暗い言葉の数々は、生まれ生きることに苦しみを抱く私たちが人生を楽にし、生き延びるために役に立つ。本書は、気鋭のシオラン研究者が、彼の言葉と時に批判的に伴走しながらその思想をひもといた、待望のモノグラフである。いまこそ読まれるべき、魅惑的な思想家のすべて。
目次
第1部 シオランと見る人生と世界(怠惰と疲労;自殺;憎悪と衰弱;文明と衰退;人生のむなしさ;病気と敗北)
第2部 シオランの失敗と「再生」―生まれないことと解脱(人生へのうんざりと覚醒;生を厭うペシミズム;死は生に内在している;どうすれば生からも死からも救済される?;「解脱」と「生まれないこと」 ほか)