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著者:INA
出版:リイド社
発売日:2021年9月25日
仕様:A5判 304ページ
幸せでも、幸せじゃなくても、無理なくただ懸命に生きていく。
第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作!
若き著者(二十代・新婚・自営業・パンクス)が描く、
現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。
買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、
妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、
妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、
失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白―――
優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。
《新しいエッセイ漫画の形がここに。各所で大好評! 》
●香山哲(漫画家・ゲーム作家)
失敗して助けてもらってアイスおごったり。
「チャラにしてもらう・してあげる」ことの貴重さを、
自分はこんなに好きだったんだな...と思い直せた漫画です。
●細馬宏通(行動学者)
一話読むごとに機嫌が直る。
気持ちが空に踏み出してゆく。とがりつつ、
寝そべりつつ、二つの愛しいピアス。
●高城晶平(ミュージシャン)
明確な目的に向かうベクトルがあるわけでもなく、
誰かが死ぬわけでもない。
そんなストーリーを人は「何も起こらない話」と呼ぶ。
『つつがない生活』も、一般的に言ってそういう物語だ。
しかし、よくよく観てみれば、この漫画は出来事に満ちており、
それらを切り取る斬新なアングルもある。
人物の躍動があり、狭量な社会に対する闘争もある。
著者の工夫と試行錯誤と、なにより世界を捉え直す目線があるからこそ、
「何も起こらない話」がこんなにも胸を打つのだろう。
しみじみと読み耽ってしまった。