


著者:中崎タツヤ
出版:飛鳥新社
発売日:2010年12月
判型:B6判 189ページ
状態:B カバーに少し傷みがあります。
「なんか捨てるものないかなあ」という言葉とともに、押入れの中にガスコンロ一つしか無いという衝撃的な写真で始まる本書。「じみへん」などで知られる漫画家・中崎タツヤ氏がものを持たない暮らしについて語ったエッセイなのですが、単なる断捨離本に留まらないのは言うまでもなし。とにかくムダを省くということに異様な執着を見せる中崎氏。インクの減ってきたボールペンをどんどん削っていく、本を読んだページから破って捨てていくなど、理解に苦しむというかむしろその行為自体が無駄なんじゃないかと突っ込みたくなるんですが、はっきり言って突っ込んだら負けです。無駄が嫌いと言いながら物欲にかられて次々とものを買う、いずれ捨てると分かっていても買う、そして捨てる、そしてまた買う。結局何がしたいのか、読んでいる僕らにはさっぱりなのですが笑、人の趣味嗜好というのは本当に様々なんだなあと、何だかしみじみしてしまいました。